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実践事例集:従来型特養をユニットケアにふさわしい環境へ

―マザアス東久留米での試み―

 

6.ユニット化改修の効果

今回は環境評価チームが、職員・入居者・家族の環境への満足度、職員のストレス、リビングの使われ方、日勤職員の歩数、認知症高齢者への環境支援指針からみた環境特性など多面的に改修前後の変化を評価しました。

満足度が向上した項目として、建築・設備に関して、家庭的な雰囲気、ケアや見守りのやりやすさ、居室の分かりやすさなどが上げられます。さらに、入居者の生活の継続性や役割の工夫、自分で選択する機会など個人の尊厳に関わる部分にもプラスの影響を及ぼしていることが明らかになりました。また、職員の仕事への意識の高さ、個人やチームでの仕事の裁量、施設への愛着、施設や職員への家族の信頼などの項目は改修前から満足度が高く、改修後もその状態が保たれました。改修後にも不満の多い項目として、居室やトイレの排泄臭、浴室の換気、職員のトイレなど今回改修を行わなかった設備への不満があげられます。また、洗面台の高さへの不満も残されており、平均介護度4.5の入居者の自立を支える設備の難しさが課題となっています。

ユニット化による入居者・職員・家族への影響を自由記述で職員に尋ねると、ここでもプラスの影響が大きいことが示されました。入居者へのプラスの影響として、なじみの関係やきめ細かなケアが受けられる、家庭的な雰囲気ができ落ち着いて過ごせるなどが上げられました。職員へのプラスの影響として、個々の利用者への理解が深まり、ユニットの特性に合わせたケアを考えるようになったといった回答が上げられます。家族にとっては、職員との距離が縮まる、入居者と団らんしやすくなったことや家族同士のなじみの関係が深まる効果もみられました。

今回は、平均介護度4.5という重度化の中で、全個室ではないユニット化の取り組みでした。重度になると分からないから効率優先でもいいという声も聞かれますが、重度の方々こそ環境の影響を大きく受け環境に翻弄されており、ユニットの落ち着いた環境は有効です。また、国が規定する全個室・ユニットでなくても、ユニット化改修の効果は大変大きく、行政が支援する価値があると思います。

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