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実践事例集:従来型特養をユニットケアにふさわしい環境へ

―マザアス東久留米での試み―

 

2.暮らしを大切にしたケアの実現に向けた5年間の歩み

従来型特養のユニット化には、施設環境を構成する「社会的環境(ケア的環境)」、「物理的環境」、「運営的環境」の3要素の変革が必要です。形から入ってうまくいかない施設が多数あるなかで、マザアス東久留米では入居者のその人らしい暮らしに寄り添うケアを実現したいとケアにこだわって、ユニットケアを進めてきました。

2003年はユニットケアへの準備の年と位置づけられます。開設から8年が経ち、職員の間から「業務が忙しく入居者と関わる時間がとれない」といった声が聞かれるようになりましたが、45名の入居者を対象にした集団的なケアでは、効率的に介護業務をこなすことに追われていました。生活単位を小規模にすることにより、ケアや生活の質を変えたいと強く思うようになりました。どのようなケアをしたいか、入居者にどのような暮らしをしてほしいかというグループディスカッションを通じて、職員の目指すケアの方向をはっきりさせ、その内容をご家族やボランティアなど施設を支える多くの方々と共有する話し合いをきめ細かく行いました。この年に、物理的環境の改修として居室にパーティションの設置や個別ケアにふさわしい浴室への改修などを実施しました。

2004年はユニットケアへ移行した時期です。各フロア45名から、1ユニット15名へと小グループ化を図り、暮らしの視点から個別ケアを実施して、入居者ひとり一人の居場所をつくることを意図しました。この時期にはユニットを担当する職員の固定配置やケアの提供方式の見直し、これらを進める委員会の設置など「社会的環境」や「運営的環境」の改革に取り組みました。

2005年には、日本社会事業大学の呼びかけに応じて近隣6施設合同の施設環境づくりプロジェクトに参加しました。1年間「施設環境づくり支援プログラム」に沿った取り組みを行い、介護者にとって都合のよい環境ではなく、認知症高齢者の視点に立ち環境を変えていくことを学びました。大規模な改修を見越して、物理的環境の改善は、リビングの整理整頓や家具の購入など小規模なものに留まりました。

ユニットで職員がそばに寄り添いじっくり関わることで、入居者の方々は落ち着き、オムツからトイレへと排泄が変わる方もみられるなど、ユニットケアの効果が現れ始めました。しかし、談話コーナーを食堂に使用する狭さは工夫レベルの環境づくりでは解決できず、職員は改修工事の必要性を痛感し、2007年にユニット化改修工事に着手することになりました。改修後には、施設事業計画に環境づくりが位置づけられ、新たな環境を活かしたケアへの取り組みが継続しています。

大食堂での食事(改修前)
大食堂での食事(改修前)
リビングでの落ち着いた暮らし(改修後)
リビングでの落ち着いた暮らし(改修後)

 

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