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実践事例集:従来型特養をユニットケアにふさわしい環境へ

―マザアス東久留米での試み―


80名定員のマザアス東久留米では、従来型特養を6ユニットにする改修工事を実施しました。工事は2007年7月~12月に、各ユニットの工事を順次6回に分けて行い、その間ショートステイの定員も減少することなく、入居者に大きな混乱もなく進行しました。児玉研究室+ケアと環境研究会(古賀誉章、沼田恭子、大久保陽子)が、職員と連携して、設計、住みこなし、評価を支援しました。従来型施設のユニット化への改修は、国も推奨しているものの、入居者が住みながらの改修がネックになっています。今回の経験は、多くの施設の参考になることでしょう。
なお、研究は「文部科学研究費:認知症ケア実践のための施設環境づくりテーラードプログラムの開発と有効性の評価:代表児玉桂子」により実施。

色彩豊かな空間に変わる
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ユニットのインテリアを選ぶ
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マザアス東久留米のHPは、http://www.moth.or.jp/at_higasi_kurume.html

 

1.従来型施設の改修へのヒント

国は個室・ユニット化の方針を示していますが多くの施設が、資金不足や居住を継続しながらの改修工事は困難と感じています。

今回取り上げたマザアス東久留米でも、ユニット化改修工事は無理だろうと考えていましたが、ひとり一人の入居者の暮らしを大切にするケアをしたいという強い職員の思いにより、ユニット化改修工事が実現しました。マザアス東久留米のユニット化改修の特徴は、職員チームを専門家チームが改修設計プラン作成、全体会議開催、住みこなし支援、環境評価の側面から支援して円滑な移行が行われた点です。マザアス東久留米では45名を生活単位として2フロアでケアしてきましたが、改修工事により15名のユニット6つに分けられました。居室は従来のまま多床室もあるので、全個室・ユニットという国の基準には合致しないユニット化です。ターミナルケアに力を入れた結果、入居者の平均介護度は4.5となり、重度の方が多く暮らす施設でのユニット化改修であることも特徴といえます。こうしたマザアス東久留米での試みは、ユニット化に躊躇している多くの施設の参考になると思います。

マザアス東久留米の外観
マザアス東久留米の外観

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