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海外での研修・セミナー
施設環境づくり研修in台湾
1)高齢化を取り巻く状況
日本では介護保険の発足から10年が経過し、高齢化率は20%を超えています。これに対して台湾の高齢化率はまだ10%であり、介護保険導入への準備が進められている段階です。しかし、少子・高齢化の進展は日本より急激であり、高齢者ケアへの関心は高まっています。
2)台湾での研修への準備
台湾国立雲林科技大学曽思瑜副教授が来日され(2009年6~8月)、共同研究をスタートして、「認知症高齢者に配慮した施設環境づくり支援プログラム」の概要や「認知症高齢者への環境支援指針(PEAP日本版3)」の主要部分の中国語訳を行いました。
3)台湾で研修の実施と反響
(研修の日程)
- 2009年9月19日高雄市で研修会(主催:高雄県社会局・福楽多医療福祉事業)
- 2009年9月21日国立雲林科技大学で研修会(主催:国立台湾雲林科技大学・行政院国家科学委員会)
- 2009年9月22日台北市で研修会(主催:台湾アルツハイマー協会・国立台湾雲林科技大学)
- 講師:児玉桂子・森一彦ほか、
- コーディネーターおよび通訳:曽思瑜国立台湾雲林科技大学副教授
(研修の内容と反響)
①認知症高齢者への環境の重要性、②PEAP日本版、③施設環境づくり支援プログラムの概要、④施設環境づくりの実践とその効果を中心に児玉が講演を行い、森が空間行動科学から理論づけの話をしました。参加者は高齢者ケア現場スタッフや行政関係者が各会場150名程度参加され、大変盛況でした。実際に実施してみたいという具体的な反応が示されました。施設環境づくりプログラムが体系化され、各種ツールが充実している点に、大変興味を持たれたようです。認知症高齢者に有効な環境配慮の基本は、文化の差に大きく左右されず共通性が高いので、PEAP日本版も違和感なく受入られた感じです。研修後、環境づくりHPに、台湾から多くのアクセスがありました。うまく読めたでしょうか?
4)台湾での今後の展開
戦前から日本とつながりが深い嘉義市で、嘉義キリスト教病院関連施設と曽思瑜副教授が連携をして11月からU-Workshopと名付ける施設環境づくり研究会が、40名のメンバーが集まりスタートしました。今後、台湾版施設環境づくりプログラムの開発へと進むことでしょう。
高雄・雲林・台北各研修会の資料集
研修会ポスター(雲林科技大学デザイン学部学生の制作)
雲林科技大学での研修会に台湾各地から参加