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実践事例集:認知症ケアと施設環境づくり

認知症ケアと施設環境づくり-実践に学ぶ⑨

「古くて狭い」アイデアで克服

現場レポート6

古くて狭い――。来園された方は誰もがそう思う当園は創立30年を迎えました。歴史がある反面、共有空間=廊下、居室は6人部屋等ハード面に様々な課題がありますが、ハードが駄目ならソフトで勝負!と、職員が一丸となり、ケア向上への取り組みを日々実践しています。昨年度はフロアごとに環境改善に力を入れました。以下は担当者からの報告です。

【1階】 間仕切りでトラブル減少

当フロアは以前から環境に力を入れており、数年前に職員の手で寮母室を利用者のリビングにリフォームしています。今回の取り組みで利用者同士のトラブルが多かった為に、トラブルの減少を目的として、1階全体の環境改善を行いました。廊下や食堂の所々をパーテーションで仕切り、利用者それぞれが落ち着ける空間を作ったことにより、トラブルが減少しました。それまではソフトのみで対応していましたが、ハードを改善したことによりトラブルが減少したのにはちょっと驚きです。改めて環境がもたらす利用者への影響を認識できました。(中島直美)

一階平面図 多摩済生園外観 多摩済生園内部1

【2階】 ベランダに季節感

共有部分(廊下)とベランダの環境整備を行いました。なかなか難しい事ですが居心地の良い環境づくりを目指し、共有部分は和風のレイアウトを施し、行灯方の照明や竹造りの衝立を設置。ベランダには季節感を目、肌で感じることができるよう、春にはチューリップ、夏には朝顔など四季折々の花を植えました。朝顔は花を楽しむだけではなく、一杯に伸びた蔓が日除けとして役立ち、冬には干し柿を作り軒先に吊るすなど職員だけではなく、時には利用者の方と一緒に取り組むこともできるので、単に環境を作るのではなく、活動の幅も増えました。今年はその朝顔が付けた種を植え、今は芽吹き可愛らしい双葉を付けています。今年の夏も楽しみです。(関孝一)

多摩済生園内部2 多摩済生園内部4 多摩済生園内部5

【3階】 趣味が増える空間

趣味活動が増える空間作りを行いました。利用者それぞれが日常の中でゆっくりと過ごせるスペースを作ることで、自分の時間を楽しんでいただけるよう特長の違う3つのスペースを活用しました。一番広い食堂には、車いすの方が利用できるようにテーブルの位置を整え、暖かい色のカーテンやクロス、食器棚を用い家庭的な雰囲気を出し、エレベーター前の奥まったスペースには観葉植物や照明を置き、ソファ等でゆっくり過ごせる空間。廊下の端には男性利用者が使用する喫煙所。結果、園芸好きの利用者が植物の世話をしていたり、一方ではご家族との時間を過ごされたり、本を読んで静かに過ごされる方もいて、利用者それぞれのニーズに合わせた空間を作る事ができたように思います。(井村みずえ)

多摩済生園内部6

以上がフロアごとの取り組みですが、社事大の方々を始め、多くの方の協力、専門的なアドバイスを受けられた事が何よりも勉強になりました。

数年前から話があった「新棟建設」の話が具体化し今年度着工します。これから更に忙しくなりますが、PEAP等活用しながら、新棟をより良い環境にし、より一層ケア向上に励みたいと思います。

多摩済生園  松田 幸三
シルバー新報 2006年(平成18年)7月7日

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