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実践事例集:認知症ケアと施設環境づくり

認知症ケアと施設環境づくり-実践に学ぶ⑦

築20年の施設を快適に

現場レポート4

すらぎの園は特別養護老人ホーム(定員100名)で1984年3月より事業を開始し、現在22年を経た施設です。老朽化が進み、建物等の改修及び整備が課題となっておりますが、補助事業もなくなり、法人で全て拠出しなくてはならなくなりました。このよう時、日本社会事業大学を囲む会を通じ、児玉教授より「施設環境づくりプロジェクト」のお話を伺い、参加させていただきました。

実施にあたり、コアの職員2名を指名し、5月に開催された施設環境づくり合同ワークショップに参加して、プロジェクトのイメージを頭に画き始まりました。

2階のくつろぎスペース
使われていなかった2階コーナーをくつろげる場所に

当園は、2階と3階が居住階となっており、各階で環境づくりを考えることとし、キャプション評価法(キャプションカードを54枚作成)により環境課題を抽出しました。その際は、利用者の方々やご家族様にもアンケート調査に参加いただきました。2階は医務室前のコーナーにソファ、テーブル、テレビなどがおいてありましたが、ほとんど使われていません。ここを利用者と家族にとって楽しく、くつろげる場所にするという目標を最初からもって取り組みました。場所設定ができているので比較的早く整備ができ、ソファーの位置を変えカバーを掛けることや、低くて見えにくかったテレビ台の高さを高くする、テーブルクロスを敷くなどの改善課題が提起され、最終的に写真のような住環境に改善できました。これまで、今ある場所の、今ある物を生かしきれていなかったことがわかりました。常に工夫し、楽しみながら改善していく必要があるとアドバイスをいただきました。ここでは利用者の方々が集まり、囲碁、大正琴等のサークル活動や新聞を読んだり、テレビを見たりと日常的に利用する方が多くなりました。

和のしつらえ
壁を「和風」にリフォーム

3階は、キャプション評価を行った結果、廊下とカベの写真が多いというところから、環境づくりの目標として、「廊下、壁を利用者の方とご家族との方に施設生活の情報を得やすいところにする」ことになりました。しかし、具体的になかなかアイデアが浮かばず、日本社会事業大学関係者のご協力をいただきました。掲示板を設置していた壁は、手作業で珪藻土を塗り、掲示板の位置も車いすの方でも見やすいように低く下げ、カレンダーも大きめのもの、予定表も1ヵ月先までわかるように変えました。その向かい側の壁は、障子の枠を使って、写真のように和風に飾り付けをしています。これでだいぶ落ち着いた空間になりました。

全体的に殺風景な風景の中で、「温泉旅館風」のいい雰囲気になっていると思います。通りかかった人がここでちょっと休んでいくというような光景もみられます。

この1年間の実践だけでも、ちょっとした工夫で利用者の方々がやすらげる、ご家族様に訪問しやすいといわれるような環境をつくりだしていけることを実感しました。

反省点としては、少数の職員の作業が多かったこと。他職種間協働で取り組める体制づくりが今後の課題です。

やすらぎの園施設長 小林健治
シルバー新報 2006年(平成18年)6月23日

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