認知症高齢者のための環境支援指針
PEAP日本版とは??
PEAP日本版3:認知症高齢者への環境支援のための指針(PDF形式)
「PEAP」はなんて読むんですか?
PEAPは、「ぴーぷ」と読みます。
Professional Environmental Assessment Protocol(専門的環境支援指針)の頭文字をとっています。
PEAPはどこでつくられたんですか?
PEAP はもともと、1996年にアメリカでWeisman教授らにより開発されました。その後、2002年にケアと環境研究会により、日本の文化やケアの現状を踏まえながら、日本語に翻訳、修正しPEAP日本版ができました。というわけで、みなさんが目にされているPEAPは正確に言うとPEAP日本版なのです。
PEAPって何ですか?
PEAPは、施設に住まう認知症高齢者にとっての望ましい環境について、その考え方や具体的内容を示した指針です。
認知症高齢者ケアについては、現在様々な考え方や支援方法が言われています。そのなかでもPEAPは、認知症高齢者を取り巻く環境についての支援方法を提案したものです。右図のように、認知症高齢者のニーズと物理的環境に焦点を当てています。
ケアの現場で、どのような環境設定をすればよいのか考えたり、現状において足りないもの(考え方)や、反対に優れている点は何か?を知ろうとする時に役に立つ指針です。

PEAPはどのように使うんですか?
PEAP日本版は「指針」です。ここでは、施設環境を8つの次元に分けて説明しています。そして、それぞれの次元について34の中項目、例示を中心とした小項目が設定されています。下位項目になるに従って、より具体的な環境設定の方法が記されています。
PEAP の使い方ですが、項目ひとつひとつをチェックし、出来ている、出来ていないを判断するというよりは、施設環境をよりよいものにしていこうとする際の考え方や、改善のためのヒントを学ぶツールとして使われることを望んでいます。自分たちの施設に必要だと思われる次元から検討してみてください。
(参照:図1-3-1)
グループホームでも使えますか?
PEAP はもともと、特養や老健など比較的規模の大きい環境を、できるだけ小さな単位にしていこうという意図の基につくられています。従って、項目の内容を見ていただくと、グループホームなど、はじめから小規模な環境に当てはめた場合、違和感のある項目も少なからずあると思います。
現在、それらの課題については検討中ではありますが、一方で、施設の形態や規模を超えた、施設環境についての共通した考え方を学んでいただけるとうれしいです。
PEAPはどのような哲学を持っているのですか?
利用者を取り巻く「環境」は、建物や設備、インテリアなど目に見えるものだけでなく、ケアの内容や、施設の方針、職員の思いなど、目に見えない多くのものを含んでいます。
こうした点において、PEAPは、環境について、「施設において物理的環境は単独では存在せず、ケアやプログラムの内容、入居者の機能レベル、運営上の予算や規則などの、幅広い文脈の中で理解され、評価されるべきである」という哲学を持っています。
環境と言うと、どうしても物理的環境の評価が中心になりがちですが、PEAPでは環境要素の多面性を指摘した上で人と環境の相互作用を捉えようとしているところに特徴があります。
(参照:図1-3-2)
PEAPはどうやって手に入れられますか?
PEAP はもともと、特養や老健など比較的規模の大きい環境を、できるだけ小さな単位にしていこうという意図の基につくられています。従って、項目の内容を見ていただくと、グループホームなど、はじめから小規模な環境に当てはめた場合、違和感のある項目も少なからずあると思います。
PEAPは、このウェブサイトの「ダウンロード一覧」から手に入ります。
PEAPの実践事例
環境づくりの実践事例をPEAPの視点からまとめました。
あなたの施設の写真を撮って、PEAPの視点から点検してみましょう。
(参照:図1-3-3)