施設環境づくりとは?
環境づくりとは何ですか?
これまでの福祉の現場では、環境は簡単には変えられないものと考えられ、環境に合わせたケアや生活が行われてきました。
しかし、北欧などの実践から、個々の高齢者に合わせて環境を整えることは、認知症高齢者に安心や落ち着きをもたらし、そのひとらしい生活が可能となることが実証されてきました。環境づくりとは、環境を活かすことによりケアや生活を変えていく取り組みです。(参照:図1-1-1)
施設環境はどのように捉えたらいいのですか?
高齢者を取り巻く施設環境は、設備やインテリアなどの物理的環境、職員の関わりなどの社会的環境、施設の運営方針といった運営的環境、この相互に関連する3つの側面から構成されます。そのなかで、物理的環境に着目した環境づくりを行うことは、取り組み状況や変化が目に見えるという大きな利点があります。(参照:図1-1-2)
どこから手を付けたらいいか分からないのですが?
施設環境について、問題だと思うところ、ここはいいからぜひ大切にしたいと思うところを書き出してみましょう。職員だけでなく、高齢者や家族、ボランティアなど多くの意見を集められるといいでしょう。その場所をスナップ写真に撮りみんなで眺めると、また新たな発見があり、問題意識の共有が出来るでしょう。
この課題を整理するときに、「認知症高齢者のための環境支援指針(PEAP日本版)」は認知症高齢者にとって望ましい環境支援の方向性についてヒントとなるでしょう。そして、身近なところから、まず取り組んでみましょう。
どのような手順で取り組んだらいいのですか?
施設環境づくりは施設長の鶴の一声で取り組むのではなく、現場の職員が中心となり、高齢者や家族の参加により、ボトムアップで取り組むことが大切です。
みんなが協力して取り組めるように、6ステップの環境づくりを提案しています。詳細は、施設環境づくり実践ハンドブックを参考にしましょう。
- STEP1 認知症ケアと環境の理解を深める
- STEP2 環境課題を抽出する
- STEP3 環境改善計画を考える
- STEP4 環境改善計画を実施する
- STEP5 改善した環境を使いこなす
- STEP6 環境づくりの効果を確かめる
詳しく解説したハンドブックがダウンロードできます。3つのファイルに分かれています。(PDF形式)


